インデックスファンドとは?仕組み・メリット・デメリットをわかりやすく解説【オルカンについても】

インデックスファンド

インデックスファンドとは?仕組みメリット・デメリット【オルカンも解説】

インデックスファンド

「インデックスファンド」という言葉、最近よく耳にしませんか? 「投資初心者におすすめ」「NISA(ニーサ)で人気」などと言われますが、「インデックスファンド」とは一体何なのでしょうか? その仕組みや意味をわかりやすく知りたい、と思っている方も多いはずです。また、「オルカン」という愛称で呼ばれるファンドが人気ですが、それについても気になりますね。

インデックスファンドは特に

長期的な資産形成において非常に重要な選択肢の一つ

となっています。その特徴やメリット・デメリットを正しく理解することは、賢い投資判断の第一歩です。

この記事では、「インデックスファンド」とは何か、その基本的な意味や仕組み、投資の世界での具体的な使われ方、メリット・デメリット、そして対比されるアクティブファンドとの違いや、「オルカン」をはじめとする人気のファンド、選び方のポイントまで、初心者の方にもわかりやすく徹底解説します。

インデックスファンドとは?株の基本用語

インデックスファンドの基本的な意味 ~市場平均を目指す投資信託~

インデックスファンドとは、簡単に言うと「特定の市場指数(インデックス)と同じような値動きをすること」を目指して運用される投資信託のことです。「指数連動型投資信託」とも呼ばれます。

「市場指数(インデックス)」とは、株式市場全体の動きや、特定の市場セグメント(例:大型株、小型株、特定の国や地域)の値動きを数値で表したものです。ニュースでよく聞く「日経平均株価」やアメリカの「S&P500」などが代表的な株価指数です。

インデックスファンドは、この目標とする指数(「ベンチマーク」とも呼びます)にピッタリと連動するように設計されています。例えば、日経平均株価に連動するインデックスファンドであれば、日経平均株価が1%上昇すれば、そのファンドの価値(基準価額)も約1%上昇し、逆に1%下落すれば約1%下落する、という動きを目指します(完全に一致するわけではありません)。

対象となる指数(ベンチマーク)の例
世の中には様々なインデックス(指数)が存在し、それに連動する多種多様なインデックスファンドがあります。代表的なものをいくつか挙げます。

  • 国内株式指数:
    • 日経平均株価(日経225): 日本経済新聞社が選ぶ日本を代表する225社の株価をもとに算出。
    • TOPIX(東証株価指数): 東京証券取引所プライム市場に上場する全銘柄の時価総額をもとに算出。より市場全体の動きを反映すると言われる。
  • 米国株式指数:
    • S&P500: 米国の主要企業500社の株価をもとに算出される、米国市場を代表する指数。
    • NYダウ(ダウ工業株30種平均): 米国の代表的な30社の株価をもとに算出される歴史ある指数。
    • NASDAQ総合指数: 米国の新興企業向け市場ナスダックに上場する全銘柄(特にハイテク企業が多い)の値動きを示す指数。
  • 全世界株式指数:
    • MSCI ACWI(All Country World Index): 先進国と新興国を含む全世界の株式市場の値動きを示す代表的な指数。
    • FTSE Global All Cap Index: 全世界の大型株から小型株まで、より広範囲な銘柄をカバーする指数。後述する「オルカン」がベンチマークとする指数の一つ。
  • その他:
    • 先進国株式指数(MSCI Kokusaiなど)、新興国株式指数(MSCI Emerging Markets Indexなど)
    • 国内債券指数、先進国債券指数
    • 国内REIT(不動産投資信託)指数、先進国REIT指数

このように、インデックスファンドを通じて、世界中の様々な市場や資産クラスに手軽に投資することが可能です。

インデックスファンドの仕組み ~どうやって指数に連動させる?~

では、インデックスファンドはどのようにして目標指数(ベンチマーク)と同じような値動きを実現しているのでしょうか? その運用の仕組みの中心にあるのが「パッシブ運用(Passive Management)」という考え方です。

ここからしばらくは専門的な内容なのでよくわからないという方はオルカンのところまで飛ばしてもらって大丈夫です

パッシブ運用とは?
パッシブ運用は、「受動的運用」とも訳され、ファンドマネージャーが積極的に銘柄を選んだり、売買のタイミングを計ったりするのではなく、目標とする指数(ベンチマーク)の構成銘柄とその比率にできるだけ忠実に合わせてポートフォリオ(資産の組み合わせ)を構築・維持する運用手法です。市場平均(インデックス)と同じリターンを獲得することを目指します。

ポートフォリオの構築方法
指数に連動させるための具体的なポートフォリオ構築方法には、主に以下の二つがあります。

  1. 完全法(Full Replication): 指数を構成する全ての銘柄を、指数における構成比率と全く同じ比率でファンドに組み入れる方法です。指数との連動性は最も高くなりますが、日経平均(225銘柄)やS&P500(500銘柄)、全世界株式指数(数千銘柄)のように構成銘柄数が多い場合、全銘柄を売買・管理するためのコストや手間が大きくなるというデメリットがあります。
  2. 層化抽出法 / 最適化法(Sampling / Optimization): 指数の構成銘柄の中から、代表的な銘柄や、指数全体の値動きをよく再現できるような銘柄群を統計的な手法で選び出してポートフォリオを構築する方法です。完全法よりもコストを抑えられますが、指数との間に若干の誤差(トラッキングエラー)が生じる可能性があります。多くのインデックスファンド、特に構成銘柄数が多い指数を対象とする場合に採用されています。

リバランス(ポートフォリオの調整)
目標とする指数は、構成銘柄が入れ替わったり、各銘柄の時価総額の変動によって構成比率が変わったりします。そのため、インデックスファンドも定期的にポートフォリオの中身を見直し、指数の変動に合わせて保有銘柄やその比率を調整(リバランス)します。これにより、指数との連動性を維持しようとします。

このように、インデックスファンドは、指数に合わせて機械的に運用されるのが基本的な仕組みであり、そこにファンドマネージャーの相場観や予測が入り込む余地はほとんどありません。

アクティブファンドとの違い

インデックスファンド(パッシブ運用)と対比されるのが「アクティブファンド(Active Management)」です。
アクティブファンドは、「積極的運用」とも訳され、市場平均(インデックス)を上回るリターンを獲得することを目指します。そのために、ファンドマネージャーが独自の企業調査や市場分析、経済予測に基づいて、「これから値上がりしそうだ」と判断した銘柄を厳選したり、最適な売買タイミングを計ったりします。

両者の主な違いをまとめると以下のようになります。

  • 運用目標:
    • インデックスファンド:市場平均(指数)に連動することを目指す。
    • アクティブファンド:市場平均を上回るリターンを目指す。
  • 運用手法:
    • インデックスファンド:パッシブ運用(指数に合わせて機械的に運用)。
    • アクティブファンド:アクティブ運用(ファンドマネージャーの判断で銘柄選択・売買)。
  • コスト(信託報酬など):
    • インデックスファンド:低い傾向(運用に手間がかからないため)。
    • アクティブファンド:高い傾向(調査・分析コストがかかるため)。
  • リターンの特性:
    • インデックスファンド:良くも悪くも市場平均並み
    • アクティブファンド:市場平均を上回る可能性もあれば、下回る可能性もある

どちらが良いかは一概には言えませんが、長期的なデータを見ると、「コストの差などにより、多くのアクティブファンドは長期的にインデックスファンドのリターンを下回っている」という調査結果も多く報告されています。これは、インデックスファンドが有力な選択肢とされる大きな理由の一つです。

投資の世界でのインデックスファンド

インデックスファンドは、その特徴から多くの投資家、特に初心者や長期的な資産形成を目指す人々に支持されています。そのメリットとデメリット、そして関連する商品について見ていきましょう。

インデックスファンド投資のメリット

インデックスファンドに投資する主なメリットは以下の通りです。

  • 低コストで運用できる: これが最大のメリットの一つです。パッシブ運用はアクティブ運用に比べてファンドマネージャーの調査・分析や頻繁な売買が不要なため、運用にかかるコスト、特に「信託報酬(運用管理費用)」を非常に低く抑えることができます。信託報酬は保有期間中ずっと差し引かれるコストなので、長期投資になればなるほど、この低コストの恩恵は大きくなり、最終的なリターンに大きな差となって現れます。また、購入時の手数料が無料(ノーロード)の商品が多いのも魅力です。
  • 手軽に分散投資ができる: 投資の基本原則の一つに「分散投資」がありますが、インデックスファンドはこれを非常に簡単に実現してくれます。例えば、TOPIX連動型のインデックスファンドを一つ買うだけで、東証プライム市場に上場する約2,000銘柄に投資したのと同じ効果が得られます。全世界株式インデックスファンドなら、世界中の数千銘柄に分散できます。個別株投資でこれだけの分散を実現するのは、多大な手間と資金が必要ですが、インデックスファンドなら少額からでも可能です。特定の企業や国に集中投資するリスクを軽減できます。
  • 運用内容が分かりやすい: インデックスファンドは、「どの指数に連動するか」が明確に決まっています。そのため、自分が投資しているファンドがどのような市場の値動きを目指しているのか、どのような資産に投資しているのかを把握しやすいというメリットがあります。日経平均やS&P500など、ニュースでよく報道される指数に連動するファンドであれば、日々の値動きも追いやすく、投資初心者にとっても「何に投資しているかわからない」という不安を感じにくいでしょう。
  • 長期投資・積立投資に適している: 上記の「低コスト」「分散効果」「分かりやすさ」という特徴から、インデックスファンドは長期的な視点での資産形成や、毎月コツコツと一定額を積み立てていく「積立投資」に非常に適した商品と言えます。日本の「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」の対象商品の多くがインデックスファンドであることからも、その適性がうかがえます。

インデックスファンド投資のデメリット・注意点

一方で、インデックスファンドにもデメリットや注意すべき点があります。

  • 市場平均以上のリターンは期待できない: インデックスファンドは、あくまで目標とする指数(市場平均)に連動することを目指すため、原理的に市場平均を大幅に上回るリターンを得ることはできません。「市場平均並みで満足」できるかどうかが、インデックスファンドを選ぶ上での一つのポイントになります。個別株投資のように「テンバガー(株価10倍)」を狙うような投資ではありません。
  • 市場全体の下落リスクは避けられない: 幅広く分散投資されているとはいえ、投資対象としている市場全体が下落する局面では、インデックスファンドの基準価額も同様に下落します。リーマンショックのような金融危機が起これば、たとえ全世界株式インデックスファンドであっても大きな損失を被る可能性があります。分散投資はリスクを軽減しますが、ゼロにするわけではありません
  • 指数構成銘柄にパフォーマンスが依存する: ファンドの運用成果は、ベンチマークとする指数の構成銘柄の値動きに左右されます。そのため、たとえ市場に指数構成銘柄以外の有望な成長企業があったとしても、その恩恵を受けることはできません。また、指数構成比率の高い大型株の影響を強く受ける傾向があります。
  • 指数(ベンチマーク)の選択が重要: どの指数に連動するインデックスファンドを選ぶかによって、投資対象(国、地域、資産クラス)、リスクの大きさ、期待されるリターンは大きく異なります。自分の投資目標やリスク許容度に合った指数を慎重に選ぶ必要があります。「とりあえず人気だから」という理由だけで選ぶのは避けたいところです。

インデックスファンドの種類(ETFとの違い)

インデックスファンドと同じように、特定の指数への連動を目指す商品として「ETF(Exchange Traded Fund:上場投資信託)」があります。両者は似ていますが、いくつかの違いがあります。

  • 取引方法:
    • インデックスファンド(投資信託): 証券会社や銀行などを通じて、原則として1日1回算出される基準価額で購入・売却(換金)します。
    • ETF: 株式と同様に、証券取引所に上場しており、取引時間中であればリアルタイムで市場価格で売買できます。指値注文や成行注文、信用取引も可能です。
  • 購入単位:
    • インデックスファンド(投資信託): 100円や1,000円といった少額から購入・積立が可能な商品が多いです。
    • ETF: 株式と同様に、通常は売買単位(例:1口、10口など)があり、最低投資金額が投資信託より高くなる場合があります。
  • コスト:
    • 信託報酬: 一般的にETFの方が投資信託よりもさらに低い傾向があります。
    • 売買手数料: 投資信託は購入時手数料無料(ノーロード)が多いですが、ETFは株式と同様の売買手数料がかかります(ただし、近年は手数料無料の証券会社も増えています)。
  • 分配金:
    • インデックスファンド(投資信託): 分配金を出さずに自動で再投資するタイプの商品が多く、複利効果を得やすいです。
    • ETF: 分配金が出るタイプが多く、再投資する場合は自身で手続きが必要です。

どちらが良いかは、投資家の投資スタイルや目的によって異なります。手間をかけずにコツコツ積立したい場合は投資信託、リアルタイムで柔軟に売買したい場合やコストを極限まで抑えたい場合はETF、といった選択が考えられます。

一般にETFのほうが手数料は安いです

オルカン一択? インデックスファンドの使い方

近年、特に「つみたてNISA」などをきっかけに、インデックスファンドへの注目が高まっています。その中でも特に人気のファンドと、その使い方について考えてみましょう。

人気のインデックスファンドの例 ~オルカンとは?~

現在、多くの個人投資家から支持を集めている代表的なインデックスファンドとして、以下のようなものが挙げられます(※特定のファンドを推奨するものではありません)。

  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):
    • 三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS Slim」シリーズの一つで、通称「オルカン」として絶大な人気を誇ります。
    • ベンチマーク: MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)に連動することを目指します(※投資対象地域を日本除くタイプもあります)。
    • 特徴: このファンド一つで、日本を含む先進国および新興国の株式市場全体に、国際的に分散投資することができます。「全世界まるごと」投資できる手軽さと分かりやすさ、そして業界最低水準を目指す低コストが人気の理由です。
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):
    • 同じく「eMAXIS Slim」シリーズで、米国の代表的な株価指数である「S&P500」に連動することを目指します。
    • 特徴: 近年の米国経済および米国株式市場の力強い成長を背景に、高いリターン実績からオルカンと人気を二分しています。世界経済の中心である米国に集中投資したい場合に選ばれます。こちらも低コストです。
  • 国内株式インデックスファンド (日経平均/TOPIX連動):
    • 日本の代表的な株価指数である日経平均株価やTOPIXに連動するファンドも根強い人気があります。
    • 特徴: 日本経済の成長に期待する場合や、為替変動リスクを避けたい場合に選択されます。身近な企業の株価動向と連動するため、値動きを理解しやすいと感じる人もいます。
  • その他:
    • 先進国株式ファンド: 日本を除く先進国の株式市場(MSCI Kokusaiなど)に投資。
    • 新興国株式ファンド: 今後の高い成長が期待される新興国の株式市場(MSCI Emerging Markets Indexなど)に投資(リスクは高め)。
    • バランスファンド: 株式だけでなく、債券やREITなど複数の資産クラスを組み合わせた指数に連動するもの。リスクを抑えたい場合に選択肢となります。

なぜ「オルカン一択」と言われることがあるのか?

特に人気の高い「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))」について、「投資初心者にはオルカン一択で良い」といった意見を聞くことがあります。なぜそれほどまでに支持されるのでしょうか?

  • 究極の国際分散投資: 世界約50カ国、数千銘柄にこれ一本で投資でき、特定の国や地域に集中するリスク(カントリーリスク)を最大限に軽減できます。どの国が将来成長するかを予測する必要がありません。
  • 世界経済の成長を取り込める: 長期的に見て世界経済全体は成長していく、という大局観に立つならば、その成長の果実を最も広く享受できる投資対象と言えます。
  • 手間いらずでシンプル: ファンド選びやポートフォリオ管理に悩む必要がほとんどなく、ただ買い付けて保有(あるいは積立)を続けるだけで国際分散投資が実現します。忙しい人や投資に時間をかけたくない人にも向いています。
  • 圧倒的な低コスト: 多くの投資家から資金が集まる人気ファンドであるため、運用会社間の競争も働き、信託報酬が極めて低い水準に抑えられています。

これらの理由から、「迷ったらオルカン」「初心者にはまずオルカン」といった声が聞かれるのです。

「オルカン一択」で本当に良いのか? 考えるべきこと

オルカンが非常に優れた選択肢であることは間違いありませんが、

「誰にとっても一択で良い」と言い切れるわけではありません。

以下の点を考慮する必要があります。

  • リスク許容度との整合性: オルカンは100%株式で構成されています。株式は債券などに比べて価格変動リスクが大きい資産クラスです。ご自身のリスク許容度(どれくらいの価格変動や損失に耐えられるか)によっては、債券なども含む「バランスファンド」の方が精神的に安心して続けられる可能性があります。
  • 期待リターンと投資対象地域への考え方: オルカンは全世界の市場平均を目指すため、良くも悪くも「平均点」のパフォーマンスになりやすいです。もし、「今後の成長は米国が中心だ」と強く考えるならS&P500連動型に、「日本経済の復活に期待したい」なら国内株式型に投資する方が、より高いリターンを得られる可能性(もちろんリスクも高まります)があります。また、特定のテーマ(例:テクノロジー、環境など)に関心がある場合、それに関連するアクティブファンドやETFも選択肢に入ります。
  • 為替リスクの存在: オルカンの投資対象の多くは外国株式であるため、円高になれば円換算での価値が目減りする為替リスクを負うことになります。
  • 自分の投資目標との整合性: 最も重要なのは、ご自身の投資目標(何のために、いつまでに、いくら貯めたいか)や価値観に合った投資対象を選ぶことです。オルカンは多くの人にとって合理的な選択肢ですが、それが唯一絶対の正解ではありません。他の選択肢と比較検討し、納得した上で選ぶことが大切です。

超長期の視点でずっと市場は成長し続けるという大前提(世界経済のコンセンサス)があってこそのインデックスファンドということは覚えておきましょう。

インデックスファンドの選び方のポイント

では、数あるインデックスファンドの中から、自分に合ったものを選ぶにはどうすればよいでしょうか? 以下の点をチェックしましょう。

  1. ベンチマーク(連動を目指す指数): 最も重要です。どの市場(日本、米国、全世界など)、どの資産クラス(株式、債券、REITなど)に投資したいのかを明確にし、それに合った指数を選びます。指数の特徴(構成銘柄、算出方法など)も理解しておくと良いでしょう。
  2. 信託報酬(運用管理費用): インデックスファンドの最大のメリットは低コストです。同じ指数に連動するファンドが複数ある場合は、信託報酬ができるだけ低いものを選ぶのが基本です。長期投資ではわずかな差が大きな違いになります。信託報酬以外に隠れコスト(売買委託手数料、監査費用など)も含まれる「実質コスト」も確認できるとなお良いでしょう。
  3. 純資産総額と資金流出入: ファンド全体の規模を示す「純資産総額」が極端に小さいファンドや、資金流出が続いているファンドは、繰上償還(ファンドの運用が途中で終了してしまうこと)のリスクがあります。できるだけ純資産総額が大きく、安定して資金が流入しているファンドの方が、安心して長期保有しやすいと言えます。
  4. 運用実績(トラッキングエラーなど): インデックスファンドが、目標とするベンチマークにどれだけ正確に連動できているかを示す「トラッキングエラー」も参考になります。エラーが小さいほど、指数に忠実に運用されていると言えます。ただし、過去の実績が将来を保証するものではありません。

これらのポイントを参考に、ご自身の考えに合ったインデックスファンドを選びましょう。

まとめ

インデックスファンドとは: 特定の市場指数に連動することを目指す投資信託(パッシブ運用)であり、その仕組みは指数に合わせて機械的にポートフォリオを構築・維持することです。

メリット・デメリット: 低コスト、手軽な分散投資、分かりやすさが主なメリットですが、市場平均以上のリターンは期待できず、市場全体の下落リスクは避けられないという側面もあります。

アクティブファンドとの違い: 市場平均超えを目指すアクティブファンドはコストが高く、長期ではインデックスを下回ることも多いとされます。

人気のファンドと選び方:オルカン」や「S&P500連動型」などが人気ですが、「一択」ではなく自分の目標やリスク許容度に合った選択が重要です。選ぶ際はベンチマーク、信託報酬、純資産総額などを比較検討しましょう。

インデックスファンドは、その分かりやすさ、低コスト、分散効果から、特に投資初心者や長期的な資産形成を目指す人にとって、非常に有力な選択肢の一つとなります。「つみたてNISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」といった制度を活用する上でも中心的な役割を担っています。

ただし、「どの指数を選ぶか」は、将来の投資成果を左右する重要な選択です。この記事を参考に、ご自身の投資目標やリスクに対する考え方を整理した上で、わかりやすく、かつ納得のいくファンド選びをしてください。

 

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